大阪大学 消化器内科学 自主臨床研究

 
研究課題 B 型慢性肝疾患における核酸アナログによる発癌抑制効果に関する検討
実施期間 2025年12月31日まで
研究機関 大阪大学医学部附属病院 国立病院機構長崎医療センター 愛知医科大学病院
大阪市立大学医学部附属病院 大阪労災病院 岡山大学病院 香川県立中央病院
香川大学医学部附属病院 金沢大学附属病院 川崎医科大学附属病院
くまもと森都総合病院 国立国際医療研究センター国府台病院
信州大学医学部附属病院 聖マリアンナ医科大学病院 仙台厚生病院
手稲渓仁会病院 東海大学医学部附属病院 東京都立駒込病院
名古屋市立大学付属病院 日本大学病院 兵庫医科大学病院 広島大学病院
福岡大学病院 国際医療福祉大学 山梨大学付属病院 横浜市立大学付属病院
主任研究者 大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学 教授 竹原徹郎
研究目的 B型肝炎ウイルスの持続感染は、肝硬変および肝がんが発生しやすいことが問題となっています。B 型肝炎に対する抗ウイルス療法によってB型肝炎ウイルス量は減少し、その結果肝がんおよび/または死亡リスクの低下させる効果があります。しかしながら、B型肝炎ウイルスは患者から根絶されることはないので、原則中断することなく長期間内服する必要があります。
エンテカビル、テノホビルとラミブジンは B型肝炎ウイルスの経口抗ウイルス剤です。ウイルスは薬剤の効果を弱める能力(薬剤耐性)を持つことがありますが、エンテカビル、テノホビル薬はそのようなことは起こりにくく、治療ガイドラインでは B型肝炎患者の第一選択薬として推奨されています。しかしながら、肝がんリスクの下げる効果についてエンテカビルとテノホビルを比較する十分な研究はありませんでした。いくつかのコホート研究では、エンテカビルとテノホビルとの間で肝がんリスクに差はなかったと報告されているものもありますが、生存率まで直接比較していません。それに十分な研究といえるほどの患者数および発癌症例数でもありません。 以上のように、治療薬剤の種別による肝がんの発症に差があるかどうかは不明です。 そこで、B型慢性肝炎患者における肝がんの発生状況および死亡または肝移植のリスクに関しエンテカビル、テノホビルとラミブジンを比較します。
対象 記載の研究機関に通院または入院歴があり、2003 年 1 月 1 日から 2019 年 12 月 31 日までにエンテカビル、テノホビル、ラミブジン治療を導入した患者さん。
【除外基準】
①核酸アナログの前治療歴がある。
②インターフェロン治療直後からの移行導入
③HCV RNA陽性
④大量かつ常習飲酒家(80gr/day)
⑤抗核抗体陽性または/かつ抗ミトコンドリア抗体陽性
研究に用いる情報の種類 カルテ情報:
①治療開始時の臨床所見(年齢、性別、肝硬変の有無)
②治療開始時の血液所見(AST、ALT、血小板数、HBs 抗原量、HBe 抗原、HBV DNA 量、HBV genotype)
③治療薬剤(エンテカビル、テノホビル、ラミブジン)
④治療後の発がんの有無、発がんした症例の発がん日時、最終転帰。
利用する者の範囲 大阪大学医学部附属病院において得たデータは、国立病院機構長崎医療センターに送り、解析されます。
情報の管理について責任を有する者の氏名または名称 大阪大学消化器内科学 山田涼子
プライバシー
の保護
プライバシー確保のため、患者さんが特定できないようにデータを処理した上で研究解析を行います。また、研究結果を公表する際には、患者さん個人が特定されることはありません。
研究の資金源と
利益相反
この研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構「Nucleotide analogue製剤のサイトカイン誘導を利用してB型肝炎のドラッグフリーを目指す治療法の開発および創薬に関する研究」班が主体となって、その研究資金で実施しています。研究を行うときにその研究を行う組織あるいは個人(以下「研究者」という。)が特定の企業から研究費・資金などの提供を受けていると、その企業に有利となるように研究者が研究結果を改ざんあるいは解釈したり、また都合の悪い研究結果を無視するのではないかという疑いが生じます。(こうした状態を「利益相反」といいます。) 当該研究の計画・実施・報告において、研究の結果およびその解釈に影響を及ぼすような“起こりうる利害の衝突”は存在しません。また、研究の実施が被検者の権利・利益を損ねることがないことについて確認を行います。当院では利益相反(COI)の管理を、臨床研究利益相反審査委員会が行っており、我々は研究実施に際し、臨床研究利益相反審査委員会に利益相反状態の申告を行うことになっています。
本研究に関する
問い合わせ先
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。 また、情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、2020年9月までに下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。
照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
大阪大学消化器内科学 山田涼子
電話番号:大阪大学消化器内科学(06-6879-3621)