大阪大学 消化器内科学 自主臨床研究

 
研究課題 炎症性腸疾患の治療におけるTreat to Target戦略構築に関する検討
研究の対象 大阪大学医学部附属病院に2010年1月1日以降に潰瘍性大腸炎もしくはクローン病で通院中の患者で、16歳以上であった症例を対象とします。
研究目的・方法 炎症性腸疾患はクローン病と潰瘍性大腸炎に大別される難病であり、その原因は未だ不明です。生物学的製剤は炎症性腸疾患の治療成績を大きく改善させましたが、無効症例への対応は未だ解決すべき問題となっています。新しい薬の登場により治療の選択肢は増えているものの、長い経過で患者さんの症状を改善させるためには適切な治療法の選択が大切です。分かりやすい目標を定めて治療を行なっていく戦略は海外で「Treat to Target戦略」と呼ばれ着目されています。
その方法としては内視鏡検査による粘膜が治っているかどうかの確認が最も優れた指標となるとされていますが、内視鏡検査は患者さんにとっては苦痛があり、また費用もかかることから何度も行うことはできません。そのために苦痛のない方法によって治療戦略を取ることが試みられていますが、未だ定まった方法は見出されていません。
本研究では患者さんにとって苦痛の少ない方法によって治療効果を予測できるバイオマーカーを探索することを目的としています。
当院の電子カルテより対象患者さんの診療情報(診断、病型、診断日、性別、年齢、身長、体重、喫煙歴、飲酒歴、家族歴、治療歴)や臨床症状(腹痛、発熱、排便回数、血便の有無)、血液検査・便検査、内視鏡検査について調査させていただきます。炎症性腸疾患患者に行われた治療に対してその有効性と関連する因子について検討を行い、治療戦略の最適化を図ることで炎症性腸疾患の治療成績の向上につながる可能性があります。患者さんが特定できないようにデータを処理した上で大阪大学大学院基礎工学科に提供し数理モデル解析を行います。
研究に用いる試料・情報の種類 診療情報(診断、病型、診断日、性別、年齢、身長、体重、喫煙歴、飲酒歴、家族歴、治療歴)や臨床症状(腹痛、発熱、排便回数、血便の有無)、血液検査・便検査、内視鏡検査、および他の研究で用いられた研究結果など
外部への試料・情報の提供 大阪大学大学院基礎工学科へのデータの提供は、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。対応表は、当センターの研究責任者が保管・管理します。
研究組織 研究代表者
大阪大学消化器内科 教授 竹原徹郎
研究事務局
大阪大学消化器内科 寄附講座助教 良原丈夫
 
分担研究者
大阪大学 消化器内科 教授 井上隆弘
大阪大学 消化器内科 講師 林義人
大阪大学 消化器内科 助教 辻井芳樹
大阪大学 消化器内科 寄附講座助教 良原丈夫
大阪大学 消化器内科 特任助教 上間遼太郎
大阪大学 消化器内科 医員 大竹由利子
大阪大学 消化器内科 医員 谷瑞季
大阪大学 消化器内科 医員 天野孝広
大阪大学 消化器内科 医員 田代拓
大阪大学 消化器内科 医員 朝倉亜希子
大阪大学 消化器内科 医員 辻井悠里

研究協力者
大阪大学大学院基礎工学研究科 特任教授 鈴木貴
お問い合わせ先 本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。同意撤回は可能ですが、学会や論文発表後の撤回はできませんので、あらかじめご了承ください

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学 良原丈夫(寄附講座助教)
大阪府吹田市山田丘2-2
Tel: 06-6879-3621

研究責任者:大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学 竹原徹郎(教授)

研究代表者:大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学 竹原徹郎(教授)