大阪大学 消化器内科学 自主臨床研究
研究課題 | NUDT15遺伝子検査結果実用化後のチオプリン製剤の副作用に関する後ろ向き観察研究 (post MENDEL Study) |
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実施期間 | 2025年6月30日まで |
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研究機関 |
代表施設:東北大学病院消化器内科 |
主任研究者 | 東北大学病院 角田 洋一・消化器内科・助教 |
研究目的 | 免疫調節薬であるチオプリン製剤は炎症性腸疾患の重要な治療薬ですがその副作用が問題となっていました。2014年にチオプリン製剤による副作用出現と相関する遺伝子変異(NUDT15遺伝子多型)が発見され、その遺伝子型を調べることによりほぼ確実に重篤な副作用を発症する遺伝子変異を持つ患者さんを事前に診断し、副作用を回避することが可能となりました。一方でヘテロ型と呼ばれる中間のリスクを持つ患者さんにどう対応していくかはまだ定まった対処法がありません。以上のことから、NUDT15遺伝子検査を行ったうえでチオプリンを導入した症例について、主治医が用量などをどのように設定して処方を行い、それによってどのように副作用が発生し、治療経過がどうであるかについて検討し、検査を行わなかった群での調査を並行して行って比較することで、検査がどのように治療に影響したかを確認する事を目的とします。 |
対象 | 当院における本研究はNUDT15遺伝子多型検査が2019年2月に保険収載されて以降に、チオプリン製剤による治療を経験せずNUDT15遺伝子多型検査が行われた患者さんを対象としています。 |
研究方法 |
本研究では、研究参加施設においてNUDT15遺伝子検査を行ってチオプリンを開始した症例と行わずに開始した症例において、NUDT15遺伝子検査の副作用発生・治療継続率への効果、NUDT15遺伝子型別のチオプリン服用量の調査、NUDT15遺伝子検査を行った理由について、またNUDT15遺伝子検査結果を踏まえた処方状況を調査します。 本研究により、NUDT15遺伝子多型検査の有用性のほか、遺伝子型別の治療対応がどのような結果をもたらすかが明らかとなり、将来の治療戦略の参考となる重要なデータが構築され、炎症性腸疾患患者の治療成績向上につながる可能性があります。 |
利用する者の範囲 | 主たる研究機関である東北大学病院と大阪大学医学部附属病院を含めた共同研究機関で収集され匿名化された情報は、各施設からのみアクセス可能で外部の者がアクセス不可能なクラウドシステムもしくは東北大学病院消化器内科内のコンピュータでデータベース化され、集計・解析されます。 |
試料・情報の管理について 責任を有する者の 氏名または名称 |
大阪大学消化器内科学 新崎信一郎(講師) |
プライバシーの 保護 |
本研究では大阪大学医学部附属病院にて通院中の炎症性腸疾患患者さんを研究対象とします。プライバシー確保のため、患者さんが特定できないようにデータを処理した上で研究解析を行います。また、研究結果を公表する際には、患者さん個人が特定されることはありません。情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には、研究対象にしませんので、下記の連絡先までお申し出ください。また、ご自身のデータを研究に使ってほしくないとお考えの場合は、2021年6月30日までに担当医もしくは下記までご連絡ください。 |
本研究に関する 問い合わせ先 |
大阪大学消化器内科学 新崎 信一郎(講師) 連絡先電話番号:大阪大学消化器内科学(06-6879-3621) |


