大阪大学 消化器内科学 自主臨床研究
研究課題 | 門脈血栓症に対する血栓溶解療法の治療効果についての検討―多施設共同研究― |
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実施期間 | 2027年12月31日まで |
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研究機関 | 大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学 |
主任研究者 | 竹原徹郎・大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学・教授 |
研究目的 | 門脈血栓症は慢性肝疾患、特に肝硬変患者において0.6-26%に見られ、肝硬変の進行に伴い、増加傾向となる疾患です。門脈血栓症を発症すると、肝硬変の予後が非常に悪くなるため、肝硬変に伴う重要な合併症の一つとされています。 肝硬変の患者さんでは、病状として出血のリスクがあることや、門脈血栓症が自然に改善することもあるため、積極的な治療介入が良いのかどうか不明な点が多かったのですが、最近の報告では血栓溶解療法を行う方が、血栓が消失する割合も高く、血栓溶解療法の合併症もそれほど多くないことから、臨床現場でも積極的に治療介入することが一般的になりつつあります。 現在は門脈血栓症に対する治療薬として、アンチトロンビンⅢ(AT−Ⅲ)製剤である献血ノンスロンⓇが、AT-Ⅲ≦70%である門脈血栓症の症例で使用され、その他にヘパリンナトリウム・低分子ヘパリン、ダナパロイドナトリウム、ワルファリンカリウムなどが使用されています。これらの薬剤により、良好な治療成績が報告されていますが、肝硬変治療ガイドラインでは治療薬剤の選択について明確な推奨は示されていません。また治療後に血栓の再発や増悪を予防するために維持療法を継続的に行うことが多いですが、どの様な症例に対して維持療法を行うべきなのか、いつまで維持療法を行うのか、など、未解明な点が多い現状です。 本研究では、過去に門脈血栓症と診断され、血栓溶解療法を行った症例を解析・検討することにより、門脈血栓症に対する血栓溶解療法の治療効果や再発率、維持療法の有効性、有害事象などを検討し、維持療法を含めた薬物療法の現状の治療成績について、明らかにすることを目的に今回の後ろ向き観察研究を実施することとしました。 |
対象 | 2015年1月1日から2017年12月31日までに大阪大学消化器内科および共同研究機関で門脈血栓症に対して血栓溶解療法を開始した慢性肝疾患症例 以下の患者さんは、本臨床研究の対象外となります。 1) 造影CT/MRI以外の画像検査で門脈血栓症と診断された方 2) 門脈血栓症に対する血栓溶解療法の治療歴がある方 3) 門脈腫瘍栓がある方 |
研究に用いる試料・情報の種類 | 診療情報:年齢、性別、身長、体重、既往歴、合併症、手術歴、輸血歴、飲酒歴、背景肝疾患、肝癌治療歴、併用薬、Child-Pugh分類、治療経過における臨床検査所見の推移、画像所見、予後等 |
外部への試料・情報の提供 | 大学の外部に試料や情報を提供する予定はありません。 |
研究分担施設 | 国立病院機構大阪医療センター 三田英治 大阪労災病院 平松直樹 市立池田病院 尾下正秀 関西ろうさい病院 萩原秀紀 大阪警察病院 宮崎昌典 大阪国際がんセンター 大川和良 兵庫県立西宮病院 飯尾禎元 市立東大阪医療センター 名和誉敏 大阪急性期・総合医療センター 藥師神崇行 市立貝塚病院 山田幸則 JCHO大阪病院 金子晃 国立病院機構大阪南医療センター 肱岡泰三 八尾市立病院 福井弘幸 市立豊中病院 福井浩司 市立伊丹病院 今中和穂 市立吹田市民病院 内藤雅文 箕面市立病院 森下直紀 大手前病院 土井喜宣 済生会千里病院 増田栄治 公立学校共済組合近畿中央病院 柄川悟志 市立西宮中央病院 小川弘之 国立病院機構南和歌山医療センター 山本佳司 |
本研究に関する 問い合わせ先 |
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