大阪大学 消化器内科学 自主臨床研究

 
研究課題 ヘモグロビン低値の遺伝子型1型C型慢性肝疾患に対するシメプレビル・ペグインターフェロン・リバビリン療法におけるリバビリン減量投与の治療効果と安全性についての検討
実施期間 2018年12月31日まで
研究機関 大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学
国立病院機構大阪医療センター、 国立病院機構大阪南医療センター
国立病院機構南和歌山医療センター、 大阪労災病院
関西労災病院、 大阪警察病院
大阪厚生年金病院、 大阪府立成人病センター
大阪府立急性期・総合医療センター、 公立学校共済組合近畿中央病院
国家公務員共済組合連合会大手前病院、 県立西宮病院
箕面市立病院、 市立池田病院
市立伊丹病院、 市立豊中病院
市立吹田市民病院、 市立芦屋病院
西宮市立中央病院、 八尾市立病院
東大阪市立総合病院、 市立貝塚病院
泉大津市立病院、 住友病院
NTT西日本大阪病院、 大阪府済生会千里病院
加納総合病院、 明和病院
大阪回生病院、 笹生病院
主任研究者 大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学 教授 竹原 徹郎
研究目的 C型慢性肝疾患の抗ウイルス療法はシメプレビル・ペグインターフェロン・リバビリン併用療法が第一選択である。しかし、リバビリンの副作用である溶血性貧血が問題であり、貧血進行が懸念されるヘモグロビン低値C型慢性肝疾患症例では、治療待機あるいはペグインターフェロン単独療法が選択される場合が多い。特に、わが国で治療対象の多くを占める高齢者は、発癌高危険群であり早期のHCV排除が望まれるが、ヘモグロビンが低値で造血機能が低下しており若齢者よりも重篤な貧血が起こることが容易に想像されることから、治療待機となる症例も少なからず存在する。また、ペグインターフェロン単独療法が施行された場合においても、遺伝子型1型では著効率が10~20%と多くの症例が非著効となり、HCV感染が持続する。このような症例では、早期のHCV排除が得られるよう、治療方法を工夫する必要がある。本検討では、ヘモグロビン低値のため、リバビリン併用が困難であるC型慢性肝疾患患者を対象として、シメプレビル・ペグインターフェロン・リバビリン療法におけるリバビリン減量投与を行い、治療効果と安全性ならびに耐性ウイルス変異出現状況、肝発癌抑制効果について検討する。
対象 大阪大学を含む関連病院において、以下の適応基準を満たし、除外基準に抵触しないC型慢性肝疾患患者で、シメプレビル・ペグインターフェロン・リバビリン併用療法が施行される患者を対象とする。当院において50例、多施設において500例を予定する。
1)年齢20歳以上
2)HCV遺伝子型1型、HCV-RNA量5Log IU/ml以上の初回治療患者
3)HCV遺伝子型1型の前治療無効または再燃患者(HCV-RNA量は問わない)
4)ヘモグロビン12g/dL未満
研究方法 保険診療内の通常診療であるシメプレビル・ペグインターフェロン・リバビリン併用療法を以下の用法・用量に従って行う。
シメプレビル、ペグインターフェロンは、添付文書に定められている用量にて開始する。
リバビリンは、ヘモグロビン10g/dl以上12g/dl未満の症例では400mg/日、ヘモグロビン8.5g/dl以上10g/dl未満の症例では200mg/日で開始する。
1)患者背景
2)投与薬の投与状況
3)有害事象の発生状況
4)肝癌の発生状況
5)臨床検査
について前向きに検討を行う。
プライバシーの
保護
本研究ではC型肝炎ウイルスに罹患した慢性肝疾患患者さんを研究対象とします。プライバシー確保のため、患者さんが特定できないようにデータを処理した上で研究解析を行います。また、研究結果を公表する際には、患者さん個人が特定されることはありません。
本研究に関する
問い合わせ先
大阪大学消化器内科学 藥師神 崇行(講師)
連絡先電話番号:大阪大学消化器内科学(06-6879-3621)