大阪大学 消化器内科学 自主臨床研究

 
研究課題 非アルコール性脂肪性肝疾患の診断・病態進展バイオマーカー探索
実施期間 2025年3月31日まで
研究機関 大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学 竹原 徹郎
市立池田病院 澤井良之
市立貝塚病院 垣田成庸
独立行政法人労働者健康安全機構 大阪労災病院 法水淳
主任研究者 大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学 教授 竹原徹郎
研究目的 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)とは、近年生活様式の欧米化とともに著しく増加している疾患であり、過度な飲酒がないにもかかわらず、肝細胞に脂肪が沈着して肝障害を引き起こします。NAFLDのうち約10-20%の症例は非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と呼ばれ、肝臓での慢性炎症が持続することで肝線維化が進展し、致死的な肝硬変や肝癌発症へと至ります。そこで、NAFLDにおいて、病勢進行が生じない単純性脂肪肝(NAFL)とNASHを適切に鑑別し、病態の進展と相関する肝線維化状態を把握することは極めて重要であります。NASHの診断や肝線維化状態の診断におけるゴールドスタンダード検査は経皮的肝生検でありますが、侵襲的である点やサンプリングエラーの問題などから非侵襲的で信頼性の高いバイオマーカーの開発が求められています。我々は、これまでの先行研究によりNASHの診断や病態進展バイオマーカーとなりうる候補分子を多数同定しております。そこで、本研究計画では多施設から収集したNAFLD症例の臨床試料・情報を用いて、これらのバイオマーカー候補の検証を行います。
対象 大阪大学医学部附属病院及び共同研究施設にて肝生検により確定診断を受けた20歳以上の非アルコール性脂肪性肝疾患患者さん、並びに当院の臨床研究「消化器疾患患者に由来する余分血清の保管」で血清保存に同意頂いた慢性肝疾患に罹患していない20歳以上の患者さんを対象とします。
研究方法 年齢・性別・背景疾患・採血、肝生検時の組織学的診断、肝疾患の予後などに関する情報を診療記録で収集します。肝生検で得られた肝組織残余検体や保存血清から蛋白を抽出し、バイオマーカー候補分子の発現量を測定します。測定結果と臨床情報の統合解析を行い、非アルコール性脂肪性肝疾患の診断・病態進展バイオマーカー同定を行います。
利用する者の範囲 大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学
試料・情報の管理について
責任を有する者の
氏名または名称
大阪大学消化器内科学 小玉尚宏(助教)
プライバシーの
保護
研究対象者のプライバシーは厳重に守られ、また、その他人権に関わる事項についても十分な配慮がなされます。本研究の登録の際には氏名やカルテ番号等の個人情報の匿名化を行うため、研究対象者の名前や個人情報が特定・公開されることはありません。収集した臨床情報に関しては、個人情報の保護に細心の注意を払い、情報の漏洩、紛失、転記、不正な複写などがないように研究を実施します。本研究への情報提供を拒否される方は遠慮なく下記問い合わせ先まで申し出て下さい。
本研究に関する
問い合わせ先
大阪大学消化器内科学 小玉尚宏(助教)
連絡先電話番号:大阪大学消化器内科学(06-6879-3621)