大阪大学 消化器内科学 自主臨床研究
研究課題 | DAA治療後病態形成に関与する次世代シークエンス技術を用いたバイオマーカーの解明に関する研究 |
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実施期間 | ~2026年3月31日 |
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研究の対象 | 多機関共同研究「次世代シークエンス技術を用いたC型肝炎の直接作用型抗ウイルス薬による治療後病態に影響をおよぼす因子に関する研究」における研究計画を元に、各機関(山梨大学、山形大学、武蔵野赤十字病院、虎の門病院、国立感染症研究所、福井大学、東京医科歯科大学、広島大学、北海道大学、京都大学、大阪大学、埼玉医科大学)で登録された患者さん。 |
研究目的・方法 | 近年、C型肝炎に対する治療には大きな進歩が認められています。直接作用型抗ウイルス薬(Direct Acting Antivirals, DAA)と呼ばれる内服薬の開発により、非常に高い確率でC型肝炎ウイルス (hepatitis C virus, HCV)を排除することが可能となってきました。一方、このように治療が進歩した現在においても、今なおC型肝炎治療における問題はすべて解決されたわけではありません。すなわち、DAAを使っても一部の患者さんでは薬剤耐性ウイルスが出現することによって排除できない場合があること、またウイルスが排除されても肝癌が出現したり、肝臓の硬さや食道静脈瘤の改善が見られないばかりか、むしろ進行してしまう場合があることなども次第に明らかとなりつつあります。しかしながら、ウイルス排除後にどのような患者さんが治療後に、このような状態に陥るのか十分にわかっていません。 本研究では、C型肝炎に対するこれらの残された問題に対して、山梨大学を含む共同研究の枠組みを利用して、次世代シークエンサーと呼ばれる新しい解析技術などを用いて、ウイルスや患者さんの遺伝子・タンパク、あるいは画像情報を含む患者さんの臨床情報をしらべることを通じて明らかとし、臨床的に有用なバイオマーカーを開発することを目的としています。 患者さんから同意を頂いて既に各機関で保存されている血液・肝組織・画像を含む臨床情報を、各機関で誰のデータか分からなくした(加工といいます)したのちに山梨大学内科学講座消化器内科教室に提供します。また血液・肝組織と臨床情報と合わせて、山梨大学内科学講座消化器内科教室から各機関にも提供します。 各機関で着目するウイルスや患者さんの遺伝子・タンパク、あるいは画像情報を含む患者さんの臨床情報を調べることを通じて、ウイルスが排除されても肝癌が出現したり、肝臓の硬さや食道静脈瘤の改善が見られない原因を明らかとして、臨床的に有用なバイオマーカーを明らかとします。 |
研究に用いる試料・情報の種類 | 情報:年齢、生年月日、病歴、治療歴、副作用等の発生状況、カルテ番号、血液検査データ、画像検査、臨床経過等 試料:血液、肝組織等 |
外部への試料・情報の提供 | 収集した試料・情報は、氏名等の特定の個人を識別することができる記述を削除し、代わりに研究用の番号を付与し、情報は記録媒体や郵送等にて山梨大学へ共同研究機関から提供されます。また試料は、共同研究機関から山梨大学へ郵送にて送られます。対応表は、山梨大学の研究責任者が保管・管理します。山梨大学に集められた試料・情報は、必要に応じて各共同研究機関に提供されます。 |
利益相反について | 研究を行うときにその研究を行う組織あるいは個人(以下「研究者」という。)が特定の企業から研究費・資金などの提供を受けていると、その企業に有利となるように研究者が研究結果を改ざんあるいは解釈したり、また都合の悪い研究結果を無視するのではないかという疑いが生じます。(こうした状態を「利益相反」といいます。) この研究における利益相反は、大阪大学大学院医学系研究科・医学部臨床研究利益相反審査委員会による審査を受け、承認を得ています。我々はその審査結果に基づき、利益相反を適正に管理して研究を行います。 |
研究組織 | 【研究代表者】 山梨大学大学院総合研究部 特任教授 榎本信幸 【共同研究機関】 北海道大学 消化器内科 須田剛生 大阪大学 大学院医学系研究科 疋田隼人 武蔵野赤十字病院 消化器科 黒崎雅之 福井大学 消化器内科学 中本安成 京都大学医学部附属病院 消化器内科 高井 淳 埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科 内田義人 山形大学 消化器内科学 上野義之 虎の門病院 肝臓内科 鈴木文孝 国立感染症研究所 ウイルス第二部 相崎英樹 東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 朝比奈靖浩 広島大学大学院医系科学研究科 医療イノベーション共同研究講座 茶山一彰 |
本研究に関する 問い合わせ先 |
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。 ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。 また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。 照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先: 住所:大阪府吹田市山田丘2-2 電話番号:06-6879-3621 大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学 疋田隼人(研究責任者) 研究代表者: 山梨大学大学院総合研究部 特任教授 榎本信幸 |


