大阪大学 消化器内科学 自主臨床研究
研究課題 | C型肝硬変患者における肝病態進展バイオマーカーの探索に関する研究 |
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実施期間 | 2026年3月31日まで |
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研究機関 |
大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学 北海道大学大学院医学研究科 内科学講座 消化器内科学分野 岩手医科大学医学部 内科学講座 消化器内科肝臓分野 山形大学医学部 内科学第二講座 埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科 千葉大学大学院医学研究院 消化器内科学 国立国際医療研究センター 肝炎・免疫研究センター 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 肝臓病態制御学講座 日本赤十字社武蔵野赤十字病院 消化器科 東京大学医学系研究科 消化器内科 山梨大学医学部 第一内科 名古屋市立大学大学院医学研究科 消化器・代謝内科学 金沢大学医薬保健研究域医学系 消化器内科 福井大学学術研究院医学系部門 内科学(2) 奈良県立医科大学医学部医学科 消化器内科学講座 大阪公立大学大学院医学研究科 肝胆膵病態内科学 広島大学大学院医歯薬保健学研究科 消化器・代謝内科学 山口大学大学院医学系研究科 消化器内科学 愛媛大学 消化器・内分泌・代謝内科学 長崎大学医学部 消化器内科 独立行政法人国立病院機構長崎医療センター 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 健康科学専攻人間環境学講座消化器疾患・生活習慣病学 |
主任研究者 | 大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学 教授 竹原徹郎 |
研究目的 | C型肝炎ウイルス(hepatitis C virus:HCV)に感染すると、長期の経過を経て肝硬変や肝がんに進展します。そのため、肝疾患の進展抑止や生命予後の改善を目的として、ウイルスを排除する治療が行われてきました。近年、HCVの複製を選択的に阻害する抗ウイルス薬(direct-acting antiviral:DAA)の登場により、これまで治療が困難であった肝硬変の患者さんにおいても、高い治療効果が認められるようになりました。一方で、重症度の高い非代償性肝硬変の患者さんでは、DAA治療後も肝硬変による入院や肝がんの発生を代償性肝硬変の患者さんよりも高率に認められることが報告されています。このようにC型肝硬変患者さんの予後を改善するためには、肝病態が改善しない症例を囲い込む必要がありますが、どの様な患者さん肝病態が改善しにくいのかは明らかではありません。そこで、大阪大学を含む共同研究機関においてC型肝硬変に対してDAAが投与された患者さんを対象として、血中タンパク等を測定し、病態の進行と合わせて解析することで、肝線維化進展や肝発がんを予測する新規バイオマーカーを探索し、その有用性を検証することを目的としています。 |
対象 |
「C型肝炎ウイルス排除治療による肝硬変患者のアウトカムに関する多施設共同観察研究 承認番号:18431」に登録されている患者さんの内、以下のA-Vのいずれかに該当する患者さん A. 大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学において、「C型慢性肝疾患に対するインターフェロン・フリー治療の治療効果ならびに安全性についての検討」あるいは「消化器疾患患者に由来する余分血清の保管」に同意を頂き、かつ保存血清の二次利用に同意頂いて大阪大学大学院医学系研究科に血清保存している2019年2月から2021年12月までに抗ウイルス治療を開始した20歳以上のC型肝硬変患者さん。 B. 北海道大学大学院医学研究科内科学講座消化器内科学分野において、「C型肝炎ウイルス感染患者に対するsofosbuvir/velpatasvir併用療法の安全性、治療効果の検討」の研究計画書に同意頂いた2019年2月から2021年12月までに抗ウイルス治療を開始したC型肝硬変患者さん。 C. 岩手医科大学医学部内科学講座消化器内科肝臓分野において、「HCV排除治療が肝硬変患者の肝硬度に及ぼす影響の経時的観察研究」の研究計画書に同意頂いた2019年2月から2021年12月までに抗ウイルス治療を開始したC型肝硬変患者さん。 D. 山形大学医学部内科学第二講座において、「慢性肝疾患関連遺伝子研究」の研究計画書に同意頂いた2019年2月から2021年12月までに抗ウイルス治療を開始したC型肝硬変患者さん。 E. 埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科において、「ゲノタイプ1型のC型慢性肝疾患の抗ウイルス療法におけるC型肝炎ウイルスのNS3,NS5A,NS5B領域の薬剤耐性変異の測定:C型肝炎の抗ウイルス治療法選択を目的とした新規検査系に関する研究」、「C型慢性肝疾患におけるグレカプレビル水和物・ピブレンタスビル配合錠の有効性と安全性の検討」、「C型慢性肝疾患におけるソホスブビル・ベルパタスビル配合錠の有効性と安全性の検討」の研究計画書に同意頂いた2019年2月から2021年12月までに抗ウイルス治療を開始したC型肝硬変患者さん。 F. 千葉大学大学院医学研究院消化器内科学において、「C型肝炎ウイルス排除治療による肝硬変患者のアウトカムに関する多施設共同観察研究」の研究計画書に同意頂いた2019年2月から2021年12月までに抗ウイルス治療を開始したC型肝硬変患者さん。 G. 国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センターにおいて、「慢性肝炎・肝硬変患者の栄養関連データベースによる合併症リスクスコアの開発」の研究計画書に同意頂いた2019年2月から2021年12月までに抗ウイルス治療を開始したC型肝硬変患者さん。 H. 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科肝臓病態制御学講座において、「C型慢性肝炎に対するインターフェロン非使用抗ウイルス治療の効果•安全性に関わる宿主およびウイルス因子と治療後発癌抑止効果の解析」の研究計画書に同意頂いた2019年2月から2021年12月までに抗ウイルス治療を開始したC型肝硬変患者さん。 I. 日本赤十字社武蔵野赤十字病院消化器科において、「ウイルス性肝炎の薬剤耐性が及ぼす病態変化に関する研究」の研究計画書に同意頂いた2019年2月から2021年12月までに抗ウイルス治療を開始したC型肝硬変患者さん。 J. 東京大学医学系研究科消化器内科において、「肝臓疾患に関与する遺伝子とたんぱく質の探索に関する研究」の研究計画書に同意頂いた2019年2月から2021年12月までに抗ウイルス治療を開始したC型肝硬変患者さん。 K. 山梨大学医学部第一内科において、「消化器疾患の経過を決める臨床因子の研究」の研究計画書に同意頂いた2019年2月から2021年12月までに抗ウイルス治療を開始したC型肝硬変患者さん。 L. 名古屋市立大学大学院医学研究科消化器・代謝内科学において、「肝炎研究採血のお願い」の研究計画書に同意頂いた2019年2月から2021年12月までに抗ウイルス治療を開始したC型肝硬変患者さん。 M. 金沢大学医薬保健研究域医学系消化器内科において、「直接作用型抗ウイルス薬によりC型肝炎ウイルスを駆除した後に発症する肝癌を予測する因子の探索」の研究計画書に同意頂いた2019年2月から2021年12月までに抗ウイルス治療を開始したC型肝硬変患者さん。 N. 福井大学学術研究院医学系部門内科学(2)において、将来の研究利用のために文書同意を得て保存している血清を有する2019年2月から2021年12月までに抗ウイルス治療を開始したC型肝硬変患者さん。 O. 奈良県立医科大学医学部医学科消化器内科学講座において、「肝硬変患者に対するDAA治療とADAMTS13/VWF動態の検討」の研究計画書に同意頂いた2019年2月から2021年12月までに抗ウイルス治療を開始したC型肝硬変患者さん。 P. 大阪公立大学大学院医学研究科肝胆膵病態内科学において、「肝臓病における炎症・線維化・発癌に関与する遺伝子の探索」の研究計画書に同意頂いた2019年2月から2021年12月までに抗ウイルス治療を開始したC型肝硬変患者さん。 Q. 広島大学大学院医歯薬保健学研究科消化器・代謝内科学において、「消化器疾患の研究のためのデータべース登録」の研究計画書に同意頂いた2019年2月から2021年12月までに抗ウイルス治療を開始したC型肝硬変患者さん。 R. 山口大学大学院医学系研究科消化器内科学において、「門脈圧亢進症患者における経皮的血管内治療前後のNO調節経路と治療効果に関する検討」の研究計画書に同意頂いた2019年2月から2021年12月までに抗ウイルス治療を開始したC型肝硬変患者さん。 S. 愛媛大学消化器・内分泌・代謝内科学において、「愛媛県における肝疾患実態調査」の研究計画書に同意頂いた2019年2月から2021年12月までに抗ウイルス治療を開始したC型肝硬変患者さん。 T. 長崎大学医学部消化器内科において、「非代償性肝硬変症に対する抗ウイルス療法後、肝予備能改善に寄与する因子の解析(多施設共同研究)」の研究計画書に同意頂いた2019年2月から2021年12月までに抗ウイルス治療を開始したC型肝硬変患者さん。 U. 独立行政法人国立病院機構長崎医療センター臨床研究センターにおいて、将来の研究利用のために文書同意を得て保存している血清を有する2019年2月から2021年12月までに抗ウイルス治療を開始したC型肝硬変患者さん。 V. 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科健康科学専攻人間環境学講座消化器疾患・生活習慣病学において、「急性および慢性肝疾患における病態進展の診断マーカー同定のための網羅的遺伝子および蛋白発現解析(多施設共同研究)」の研究計画書に同意頂いた2019年2月から2021年12月までに抗ウイルス治療を開始したC型肝硬変患者さん。 |
研究方法 |
「C型肝炎ウイルス排除治療による肝硬変患者のアウトカムに関する多施設共同観察研究 承認番号:18431」において、約400例のC型肝硬変患者さんの臨床情報は、各施設で匿名化され既にREDCap※に登録されています。登録されている患者さんの内、既に文書同意を得て血清が保存されている患者さんにおいて、各施設で保存血清を匿名化して大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学に提供します。また、REDCapで収集していない肝発がんや肝線維化といったアウトカムに関連する臨床情報について、各施設で匿名化した番号を用いて大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学に提供します。血清と臨床情報と合わせて、大阪大学大学院医学系研究科から各分担施設に提供します。 各代表・分担施設で着目する血清タンパク濃度などを測定し、臨床情報と合わせて、肝発がん、肝予備能の変化、肝線維化の変化、食道静脈瘤の悪化、非代償性イベントの発生および、生存に、測定したタンパク濃度などがバイオマーカーとして有用であるかを検討します。 ※REDCapとは、米国Vanderbilt大学が開発したデータ集積管理システムで、Web上でデータベースの構築と管理ができる臨床研究支援ツールです。 |
利用する者の範囲 | 大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学(研究責任者:竹原徹郎)、 北海道大学大学院医学研究科内科学講座消化器内科学分野 (研究責任者:須田剛生)、 岩手医科大学医学部内科学講座消化器内科肝臓分野 (研究責任者:黒田英克)、 山形大学医学部内科学第二講座 (研究責任者:上野義之)、 埼玉医科大学消化器内科・肝臓内科 (研究責任者:持田智)、 千葉大学大学院医学研究院消化器内科学 (研究責任者:加藤直也)、 国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター (研究責任者:嘉数英二)、 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科肝臓病態制御学講座 (研究責任者:朝比奈靖浩)、 日本赤十字社武蔵野赤十字病院消化器科 (研究責任者:黒崎雅之)、 東京大学医学系研究科消化器内科 (研究責任者:建石良介)、 山梨大学医学部第一内科 (研究責任者:榎本信幸)、 名古屋市立大学大学院医学研究科消化器・代謝内科学 (研究責任者:松浦健太郎)、 金沢大学医薬保健研究域医学系消化器内科 (研究責任者:山下太郎)、 福井大学学術研究院医学系部門内科学(2) (研究責任者:中本安成)、 奈良県立医科大学医学部医学科消化器内科学講座 (研究責任者:吉治仁志)、 大阪公立大学大学院医学研究科肝胆膵病態内科学 (研究責任者:河田則文)、 広島大学大学院医歯薬保健学研究科消化器・代謝内科学 (研究責任者:三木大樹)、 山口大学大学院医学系研究科消化器内科学 (研究責任者:高見太郎)、 愛媛大学消化器・内分泌・代謝内科学 (研究責任者:日浅陽一)、 長崎大学医学部消化器内科 (研究責任者:宮明寿光)、 独立行政法人国立病院機構長崎医療センター (研究責任者:八橋弘)、 鹿児島大学大学院医歯学総合研究科健康科学専攻人間環境学講座消化器疾患・生活習慣病学 (研究責任者:井戸章雄) |
試料・情報の管理について 責任を有する者の 氏名または名称 |
大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学 講師 疋田隼人 |
プライバシーの 保護 |
プライバシー確保のため、患者さんが特定できないようにデータを処理した上で研究解析を行います。また、研究結果を公表する際には、患者さん個人が特定されることはありません。試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には、研究対象にしませんので、下記の連絡先までお申し出ください。 |
研究の資金源と利益相反 |
この研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構と、C型肝硬変治療薬の製造販売会社であるギリアド・サイエンシズ株式会社からの受託研究費により実施します。 研究を行うときにその研究を行う組織あるいは個人(以下「研究者」という。)が特定の企業から研究費・資金などの提供を受けていると、その企業に有利となるように研究者が研究結果を改ざんあるいは解釈したり、また都合の悪い研究結果を無視するのではないかという疑いが生じます。(こうした状態を「利益相反」といいます。) この研究における利益相反は、大阪大学大学院医学系研究科・医学部臨床研究利益相反審査委員会による審査を受け、承認を得ています。我々はその審査結果に基づき、利益相反を適正に管理して研究を行います。 |
本研究に関する 問い合わせ先 |
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。 大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学 疋田隼人(講師) 連絡先電話番号:06-6879-3621 (大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学) |


