大阪大学 消化器内科学 自主臨床研究
研究課題 | COVID-19と消化器疾患との関連の解明 |
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実施期間 | 2030年4月14日まで |
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研究機関 | 大阪大学大学院医学系研究科 |
研究代表責任者 | 大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学 教授 竹原徹郎 |
研究目的 | 現在COVID-19(新型コロナウイルス感染症)は世界的な大流行となっており、全世界が直面している最も大きな課題の1つとなっています。しかしその感染実態や、どのような症例が感染しやすいかなど不明な点も多いのが現状です。そこで、保存血清を用いて新型コロナウイルス感染症の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の抗体価陽性率の経時的な推移を消化器疾患の背景疾患別に検討します。検討結果から感染時期が類推できた症例では、その前後で、消化器疾患の疾患重症度を比較検討します。また保存組織検体を用いて、各疾患の疾患対象臓器におけるACE2などのSARS-CoV2感染関連タンパク発現を検討し、感染率との関係を検討します。本研究の遂行により、SARS-CoV-2感染の高リスクとなる消化器疾患を明らかにすると同時に、消化器疾患に与えるCOVID-19の影響の解明を目指します。 |
対象 | 大阪大学医学部附属病院において、以下の臨床研究に同意をいただき、かつ保存血清もしくは保存組織の二次利用に同意いただいた20歳以上の方を対象とする。 1) 消化器疾患患者に由来する余分血清の保管 承認番号:13128 2) Genotype1型C型慢性肝疾患に対するダクラタスビル・アスナプレビル療法の治療効果ならびに安全性についての検討 承認番号:14148 3) Genotype2型C型慢性肝疾患に対するソホスブビル・リバビリン療法の治療効果ならびに安全性についての検討 承認番号:14419 4) Genotype1型C型慢性肝疾患に対するレジパスビル・ソホスビル療法の治療効果ならびに安全性についての検討 承認番号:15080 5) Genotype1型C型慢性肝疾患に対するパリタブレビル・オムビタスビル療法の治療効果ならびに安全性についての検討 承認番号:15325 6) Genotype1型C型慢性肝疾患に対するエルバスビル・グラゾプレビル併用療法の治療効果ならびに安全性についての検討 承認番号:16314 7) C型慢性肝疾患に対するインターフェロン・フリー治療の治療効果ならびに安全性についての検討:16494 8) NAFLD/NASHの臨床経過予測を目的とした単施設前向き観察研究 承認番号:15482 9) B型慢性肝疾患症例における核酸アナログの治療効果 承認番号:16476 10) B型慢性肝炎症例に対するペグインターフェロン単独治療の有用性についての検討 承認番号:14031 11) 核酸アナログ投与中のB型肝炎症例に対するペグインターフェロン治療の有用性についての検討 承認番号:12369 12) 核酸アナログ初回投与のB型慢性肝疾患症例に対するテノホビルジソプロキシルフマル酸塩(TDF)の治療効果ならびに安全性についての検討 承認番号:14205 13) 非代償期C型肝硬変患者におけるインターフェロン・フリー治療の長期予後効果 承認番号:18117 14) 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)及びIPMN疑い症例に対する前向き観察研究 承認番号:14422 15) 自己免疫性肝疾患の臨床経過に関わる因子についての検討:多施設共同研究 承認番号:16186 16) 慢性肝疾患に伴う不顕性肝性脳症に対するリファキシミン投与時の生体内変化、および効果についての検討に関する単施設前向き観察研究 承認番号:18379 17) 肝細胞癌に対する薬物療法施行症例の多施設共同前向き観察研究 承認番号:18201 18) 無症候性自己免疫性膵炎における膵内・外分泌機能の臨床経過の解明を目的とした多施設前向き観察研究 承認番号:15578 19) 炎症性腸疾患治療効果予測のための血清バイオマーカーの探索 承認番号:13147 20) 炎症性腸疾患におけるLeucine-rich alpha2-glycoprotein(LRG)の腸管炎症マーカーとしての有用性に関する研究 承認番号:19196 21) 消化器疾患患者に由来する余剰生体試料の保管 承認番号:12449 22) B型慢性肝疾患患者におけるMDSCとNK細胞の免疫学的動態の解明:12238 |
研究方法 | 1) 研究対象者の年齢、性別、背景疾患、HBV、HCV感染症、飲酒歴、輸血歴、合併症、背景疾患治療情報、保存血清の時期、血液検査情報、画像検査情報、肝性脳症、腹水などの他覚症状情報、腹部膨満感などの自覚症状情報を診療録から収集します。 2) 保存血清を用いて、SARS-CoV-2に対する抗体価を測定し、各消化器疾患における感染率の違いの有無を検討します。 3) 組織検体が得られる疾患では、各疾患対象臓器におけるACE2などのSARS-CoV2感染関連タンパク発現を検討します。 4) 上記情報を統合して、SARS-CoV-2感染の高リスクとなる消化器疾患を明らかにすると同時に、消化器疾患に与えるCOVID-19の影響を検討します。 |
利用する者の範囲 | 大阪大学医学系研究科内で研究を行います。 |
試料・情報の管理について 責任を有する者の 氏名または名称 |
大阪大学消化器内科学 疋田隼人(助教) |
プライバシーの 保護 |
プライバシー確保のため、研究対象の方が特定できないようにデータを処理した上で研究解析を行います。また、研究結果を公表する際には、患者さん個人が特定されることはありません。試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には、研究対象にしませんので、下記の連絡先までお申し出ください。 |
本研究に関する 問い合わせ先 |
大阪大学消化器内科学 疋田隼人(助教) 連絡先電話番号:大阪大学消化器内科学(06-6879-3621) |


