大阪大学 消化器内科学 自主臨床研究

 
研究課題 慢性肝疾患における血清組織糖鎖の網羅的探索
実施期間 2027年3月31日まで
研究機関 国立大学法人大阪大学大学院医学系研究科
国立大学法人北海道大学
国立大学法人山梨大学
国立大学法人東京医科歯科大学
国立大学法人山形大学
武蔵野赤十字病院
国立国際医療研究センター研究所
主任研究者 大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学 教授 竹原徹郎
研究目的 本研究では、ウイルス性肝疾患や非アルコール性脂肪性肝疾患の肝線維化及び肝発がんに関与する血清・組織糖鎖マーカーを探索することを目的としています。
対象 次に該当する者を研究対象者とします。当院の目標症例数は、このホームページに記載しているような保存検体や臨床情報を用いる症例だけでなく、文書にて同意をいただいたうえで新たに血清もいただく症例と合わせて最大500例です。
大阪大学医学部附属病院において、以前に以下1)-14)の臨床研究に同意をいただき、かつ保存血清の二次利用に同意いただいた20歳以上の慢性肝疾患患者*

*:ⅰ) C型肝炎と診断された患者で抗ウイルス治療前または治療後(C型肝炎群)もしくは、ⅱ) B型肝炎と診断された患者で抗ウイルス治療前または治療後(B型肝炎群)もしくは、ⅲ) 明らかな飲酒歴がなく、腹部超音波検査により脂肪肝が認められた患者で肝生検による確定診断を行うNAFLD患者(NAFLD群)

1) 消化器疾患患者に由来する余分血清の保管 承認番号:13128
2) Genotype1型C型慢性肝疾患に対するダクラタスビル・アスナプレビル療法の治療効果ならびに安全性についての検討 承認番号:14148
3) Genotype2型C型慢性肝疾患に対するソホスブビル・リバビリン療法の治療効果ならびに安全性についての検討 承認番号:14419
4) Genotype1型C型慢性肝疾患に対するレジパスビル・ソホスビル療法の治療効果ならびに安全性についての検討 承認番号:15080
5) Genotype1型C型慢性肝疾患に対するパリタブレビル・オムビタスビル療法の治療効果ならびに安全性についての検討 承認番号:15325
6) Genotype1型C型慢性肝疾患に対するエルバスビル・グラゾプレビル併用療法の治療効果ならびに安全性についての検討 承認番号:16314
7) C型慢性肝疾患に対するインターフェロン・フリー治療の治療効果ならびに安全性についての検討:16494
8) NAFLD/NASHの臨床経過予測を目的とした単施設前向き観察研究 承認番号:15482
9) B型慢性肝疾患症例における核酸アナログの治療効果 承認番号:16476
10) B型慢性肝炎症例に対するペグインターフェロン単独治療の有用性についての検討 承認番号:14031
11) 核酸アナログ投与中のB型肝炎症例に対するペグインターフェロン治療の有用性についての検討 承認番号:12369
12) 核酸アナログ初回投与のB型慢性肝疾患症例に対するテノホビルジソプロキシルフマル酸塩(TDF)の治療効果ならびに安全性についての検討 承認番号:14205
13) 本邦における非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の実態と予後の解明:71012
14) 消化器疾患患者に由来する余剰生体試料の保管:12449

除外基準
①B型肝炎、C型肝炎を重複感染している患者
②B型肝炎、C型肝炎、非アルコール性脂肪性肝疾患以外の慢性肝疾患(自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎、原発性硬化性胆管炎、ヘモクロマトーシス、α1アンチトリプシン欠損症、Wilson病、うっ血肝など)を合併している患者
③悪性腫瘍を合併している方
④その他、研究責任者が研究対象者として不適当と判断した者
研究方法 1)対象患者の既存検体(保存血清、保存肝組織、肝生検の残余試料)を準備する。

2)対象患者の以下の診療情報を収集する。
① 対象者基本情報:性別、生年月日、採血時年齢、人種、身長、体重、BMI、合併症、既往歴、現病歴、高血圧・糖尿病・脂質異常症等の前治療歴、投与薬剤、Performance Status(ECOG(Eastern Cooperative Oncology Group)による分類)
② 疾患情報:疾患名、治療内容
③ 血液学的検査:白血球数、白血球分画、ヘモグロビン、血小板
④ 血清生化学検査:総蛋白、アルブミン、総ビリルビン、BUN、クレアチニン、Na、K、Cl、LDH、ALT、AST、ALP、γ-GTP、CHE、AFP、FBS、Insulin、HOMA-IR、HbA1c、Cho、TG、HDL、LDL、フェリチン、4-7s、ヒアルロン酸、Mac-2結合蛋白質糖鎖修飾異性体
⑤ 検査所見:腹部超音波検査、CT検査、フィブロスキャン、MRエラストグラフィ―
⑥ 肝生検所見:NAS、Brunt grade、Brunt stage、Fibrosis、Matteoni(NASH)

肝生検所見:Activity、Fibrosis(B型肝炎、C型肝炎)
3)対象症例を符号化・番号化によって一見して個人が特定できないように匿名化する。対応表は大阪大学大学院医学系研究科にて鍵のかかった保管庫にて保管する。

4) 1)-2)を北海道大学大学院医学研究科 消化器内科へ送付する。

5) 血清および肝組織の糖鎖解析を行い、肝線維化、肝発癌の診断や予後予測に有効なバイオマーカーを同定する。
利用する者の範囲 国立大学法人大阪大学大学院医学系研究科と、国立大学法人北海道大学、国立大学法人山梨大学、国立大学法人東京医科歯科大学、国立大学法人山形大学、武蔵野赤十字病院、国立国際医療研究センター研究所との共同研究です。
試料・情報の管理について
責任を有する者の
氏名または名称
大阪大学消化器内科学 疋田隼人
プライバシーの
保護
プライバシー確保のため、患者さんが特定できないようにデータを処理した上で研究解析を行います。また、研究結果を公表する際には、患者さん個人が特定されることはありません。試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には、研究対象にしませんので、下記の連絡先までお申し出ください。
本研究に関する
問い合わせ先
大阪大学消化器内科学 疋田隼人
連絡先電話番号:大阪大学消化器内科学(06-6879-3621)