大阪大学 消化器内科学 自主臨床研究

 
研究課題 B型肝炎ウイルス感染モデルによるB型肝疾患の病態解明
研究期間 研究機関の長の実施許可日~2027年7月31日
研究の対象 2012年8月1日~2027年7月31日に当院にB型肝炎ウイルスに罹患した慢性肝疾患で受診された方
研究目的・方法 B型慢性肝炎はB型肝炎ウイルスの持続感染によって引き起こされます。日本での感染者は約150万人と推定されており、国内最大級の感染症の1つです。慢性肝炎発症後は長期経過にて肝硬変や肝がんといった重篤な病態に進行することもあり、ウイルスの完全排除を目指した治療法の確立が望まれます。B型慢性肝疾患に対して、現在インターフェロンによる治療やウイルス増殖持続抑制目的の逆転写酵素阻害剤(核酸アナログ製剤)の継続投与が行われていますが、逆転写酵素阻害剤はウイルスの耐性化を誘導することから、長期投与によるウイルスの耐性化とそれに伴う肝炎の悪化が問題となっています。またB型肝炎ウイルスを肝細胞から完全に排除することは現在不可能であり、一時的に血中からウイルスが消失した症例での再活性化に伴う肝炎の悪化も問題となっています。このように現在B型慢性肝疾患の治療は未だ課題が多いのが現状です。
 そこで、本研究ではB型肝炎の新規治療法の開発の基盤となる病態解明を目的として、B型肝炎ウイルス感染モデルを用いて基礎実験を行います。 本研究の研究期間は2027年7月までを予定しています。今回の臨床研究では、患者さんに受けて頂く検査は採血のみです。病状の診断や経過観察をするために必要な血液検査を行うときに、通常より約20ml多めにとらせていただき、得られた血清中のB型肝炎ウイルスを感染源として使用して感染実験を行います。B型肝炎ウイルスはヒト肝細胞以外にはチンパンジーの肝細胞にしか感染しませんが、近年マウスの肝臓をヒトの肝細胞で置換したマウスが開発されています。そこで、血清中のB型肝炎ウイルスを培養ヒト肝細胞やヒト肝細胞置換マウスに感染させ、感染成立後の肝細胞の障害の程度や、B型肝炎ウイルス、や感染肝細胞に対する免疫細胞の反応などを解析します。
研究に用いる試料・情報の種類 情報:2012年8月1日~2027年7月31日に当院にB型肝炎ウイルスに罹患した慢性肝疾患で受診された方の病歴、治療歴、HBV DNA量、HBV genotype等
試料:2012年8月1日~2027年7月31日に当院にB型肝炎ウイルスに罹患した慢性肝疾患で受診された方の血清
外部への試料・情報の提供 外部へのデータの提供は、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。対応表は、個人情報管理責任者が保管・管理します。

個人情報管理責任者
大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学 疋田 隼人
〒565-0871 吹田市山田丘2-2
FAX: 06-6879-3629
TEL: 06-6879-3621

この研究で得られたあなたの血清を一部、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所に提供します。
研究組織(利用する者の範囲) 研究代表者・研究責任者
大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学 教授 竹原 徹郎

研究参加機関及び研究責任者
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 創薬イメージングプロジェクト 石井 優
本研究に関する
問い合わせ先
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
大阪大学大学院医学系研究科 消化器内科学 疋田 隼人
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